「ホルモンバランスが乱れていますね。」
婦人科でそう言われた経験がある方は多いかもしれません。
確かに、西洋医学では月経や排卵は女性ホルモンによってコントロールされています。
一方、中医学では、ホルモンだけでは説明できない「身体全体のバランス」を大切に考えます。
その中心となるのが、「腎」「肝」「脾」という3つの臓腑です。
今回は、この3つがどのように月経と関わっているのかをご紹介します。
月経は3つの臓腑のチームワークで成り立つ
中医学では、月経は一つの臓器だけで行われるものではありません。
「腎」が土台をつくり、
「脾」が栄養を補い、
「肝」が巡らせる。
この3つがうまく連携することで、規則正しい月経周期が保たれると考えます。
どれか一つでもバランスを崩すと、月経不順や生理痛、PMSなどにつながることがあります。
腎 ― 生殖を支える「生命の貯金箱」
中医学でいう「腎」は、生命エネルギーや成長・発育、生殖機能を支える存在です。
初潮を迎えること、妊娠すること、更年期を迎えること。
こうした女性のライフステージには、腎の働きが深く関わると考えられています。
腎の働きが弱ると…
- 月経周期が乱れる
- 無月経
- 妊娠しにくい
- 冷えやすい
- 足腰がだるい
などの症状が現れることがあります。
肝 ― 血を蓄え、巡らせる司令塔
肝には、血を蓄え、必要なときに全身へ送り出す「蔵血(ぞうけつ)」と、気の巡りを整える「疏泄(そせつ)」という働きがあります。
そのため、ストレスが続くと肝の働きが乱れ、気や血の巡りが滞りやすくなります。
肝が乱れると…
- 生理前にイライラする
- 胸が張る
- 生理痛
- 月経周期が不安定
- ため息が増える
などの症状がみられることがあります。
脾 ― 気と血を生み出す工場
食べたものを消化・吸収し、気や血を作り出すのが脾の役割です。
どんなに巡らせる力があっても、材料となる気や血が不足していては、身体はうまく働くことができません。
脾が弱ると…
- 月経量が少ない
- 疲れやすい
- 食欲がない
- むくみやすい
- 軟便になりやすい
といった症状が現れます。
どれか一つではなく、すべてがつながっている
例えば、
ストレスで肝が乱れると、脾の働きが低下し、十分な気血を作れなくなります。
気血が不足すると、腎を養う力も弱くなります。
このように、中医学では身体を一つのネットワークとして考えます。
だからこそ、「生理だけを整える」のではなく、身体全体を整えることが大切なのです。
毎日の生活が「腎・肝・脾」を育てる
中医学では、特別なことよりも日々の積み重ねを大切にします。
- 夜更かしを避ける
- 三食を規則正しく食べる
- 身体を冷やさない
- 軽く身体を動かす
- ストレスをため込みすぎない
こうした生活習慣が、腎・肝・脾の働きを支えます。
まとめ
月経は、女性ホルモンだけで決まるものではありません。
中医学では、「腎」「肝」「脾」が互いに支え合いながら、女性の身体を整えていると考えます。
月経不順や生理痛、PMSなどの不調があるときは、一つの症状だけを見るのではなく、身体全体のバランスに目を向けることが大切です。
自分の身体の土台を整えることが、健やかな月経、そして将来の健康につながっていきます。
次回予告
次回は「PMS(月経前症候群)はなぜ起こる?イライラ・眠気・むくみを中医学で読み解く」をテーマに、生理前に起こる心と身体の変化を詳しく解説します。








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