女性ホルモンだけでは説明できない?中医学が考える「腎・肝・脾」と月経の深い関係|月経不順シリーズ⑥

「ホルモンバランスが乱れていますね。」

婦人科でそう言われた経験がある方は多いかもしれません。

確かに、西洋医学では月経や排卵は女性ホルモンによってコントロールされています。

一方、中医学では、ホルモンだけでは説明できない「身体全体のバランス」を大切に考えます。

その中心となるのが、「腎」「肝」「脾」という3つの臓腑です。

今回は、この3つがどのように月経と関わっているのかをご紹介します。


月経は3つの臓腑のチームワークで成り立つ

中医学では、月経は一つの臓器だけで行われるものではありません。

「腎」が土台をつくり、

「脾」が栄養を補い、

「肝」が巡らせる。

この3つがうまく連携することで、規則正しい月経周期が保たれると考えます。

どれか一つでもバランスを崩すと、月経不順や生理痛、PMSなどにつながることがあります。


腎 ― 生殖を支える「生命の貯金箱」

中医学でいう「腎」は、生命エネルギーや成長・発育、生殖機能を支える存在です。

初潮を迎えること、妊娠すること、更年期を迎えること。

こうした女性のライフステージには、腎の働きが深く関わると考えられています。

腎の働きが弱ると…

  • 月経周期が乱れる
  • 無月経
  • 妊娠しにくい
  • 冷えやすい
  • 足腰がだるい

などの症状が現れることがあります。


肝 ― 血を蓄え、巡らせる司令塔

肝には、血を蓄え、必要なときに全身へ送り出す「蔵血(ぞうけつ)」と、気の巡りを整える「疏泄(そせつ)」という働きがあります。

そのため、ストレスが続くと肝の働きが乱れ、気や血の巡りが滞りやすくなります。

肝が乱れると…

  • 生理前にイライラする
  • 胸が張る
  • 生理痛
  • 月経周期が不安定
  • ため息が増える

などの症状がみられることがあります。


脾 ― 気と血を生み出す工場

食べたものを消化・吸収し、気や血を作り出すのが脾の役割です。

どんなに巡らせる力があっても、材料となる気や血が不足していては、身体はうまく働くことができません。

脾が弱ると…

  • 月経量が少ない
  • 疲れやすい
  • 食欲がない
  • むくみやすい
  • 軟便になりやすい

といった症状が現れます。


どれか一つではなく、すべてがつながっている

例えば、

ストレスで肝が乱れると、脾の働きが低下し、十分な気血を作れなくなります。

気血が不足すると、腎を養う力も弱くなります。

このように、中医学では身体を一つのネットワークとして考えます。

だからこそ、「生理だけを整える」のではなく、身体全体を整えることが大切なのです。


毎日の生活が「腎・肝・脾」を育てる

中医学では、特別なことよりも日々の積み重ねを大切にします。

  • 夜更かしを避ける
  • 三食を規則正しく食べる
  • 身体を冷やさない
  • 軽く身体を動かす
  • ストレスをため込みすぎない

こうした生活習慣が、腎・肝・脾の働きを支えます。


まとめ

月経は、女性ホルモンだけで決まるものではありません。

中医学では、「腎」「肝」「脾」が互いに支え合いながら、女性の身体を整えていると考えます。

月経不順や生理痛、PMSなどの不調があるときは、一つの症状だけを見るのではなく、身体全体のバランスに目を向けることが大切です。

自分の身体の土台を整えることが、健やかな月経、そして将来の健康につながっていきます。


次回予告

次回は「PMS(月経前症候群)はなぜ起こる?イライラ・眠気・むくみを中医学で読み解く」をテーマに、生理前に起こる心と身体の変化を詳しく解説します。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP